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「玄」なる色のこと

玄人(くろうと)という言葉があり,専門職たる当人としては畏敬の念を感ずる文字ですが,同じく私の名前を示す「玄」は同名の色をもっています.この色について,篠田桃紅は次のように解釈しています.考えさせられ,また深く賛同する解釈です.
なお「伝統色のいろは」というウェブサイトによると,ウェブカラーは#3E1E00になるようです.残念ながら特色カラーチップは存在しません.

玄とは,人生と宇宙の根源で,真,本質,実在であり,また余計なもののないこと,おのずからのもの,無為のもの,作意のないことを言うことばであるというのだが,それを色に置き換えると”くろ”となって,玄ということになるだと言われる.(中略)
玄というのはまた,一筆の濃墨で書くのではなく,淡い墨を重ねて濃くしていき,真っ黒の一息で控えた色,とまことにむずかしい.

(篠田桃紅(2000)「桃紅 私というひとり」世界文芸社:下線は早内による)

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